仕事終わりに、目的もなく行く当てもなく家路とは反対方向に車を走らせた。
ラジオからたまたまRegina Spektorの『Us』が流れたからか、夕暮れ時にふと見た空がコバルトグリーンの夕焼けだったから…。いや、理由なんて本当に些細な事だ。仕事場の同僚がとてつもなく情緒不安定で、今日が彼女にとってrowな日だったか知らないが、何かにつけて僕に当たってくるのにホトホトうんざりして、まっすぐ家に帰るのもなんだし、気晴らしにドライブしたかっただけだ。
どこから話を始めたらいいのかー。
人に話したところでどうなる訳でもないけれど。
国道を走っていると、ふと1羽の白からす?白色をしていたが、たぶん形からしてからすだと思う。流線型を描きながら、左手に見える長い坂道に並ぶバラック街を飛んでいった。車をコンビニエンスストアの駐車場に停めて、早く仕事着、これがまた見るに耐えないデザインなのだが、を脱ぎたい僕は、ドアーフみたいな店員にトイレを借り、車にいつも積んであるジーンズとネイビーシャツ、ネットオークションで買った元々は赤い革だったロングブーツにトレンチコートを羽織った。